昨年11月に完成し、新生活が始まっております
福岡市s様邸。全容をご紹介します
■外観・外回り■
約90坪のもとお住まいだった敷地の半分である45坪に
2世帯介護住宅を建て替えらたs様邸
駐車場3台、玄関までのスロープ、更にはワンちゃん用の庭スペースも充実です
この土地に暮らされて一番心配だったのが、風の強さと寒さだったとおっしゃるs様
すべての大きな窓にシャッターを付けられ、汚れや経年変化が目立たない外壁にこだわられました
大型の車スペースには洗車や芝刈り機など、
使いやすい高さに外部コンセントを。
お母様の車椅子でも玄関までスムーズに移動できるよう、
滑りにくいスロープを造りました
敷地を無駄なく活用するため、ポストとインターホンはまとめて機能門柱に。出っ張らず、使いやすい位置と向きにしています。
■庭スペース■
12歳の愛犬ララちゃんは、旧宅の外で自由に走り回っていました
敷地の広さは半分になってしまうけれど
ララちゃんが今までとあまり変わらない生活ができるようにと
計画段階から強くご希望されていたs様
室内には専用の縁側スペースもあり、外部にはちょうどいい高さで
通りを歩く人を観察できる、さらに、今までのお庭とほぼ同じ高さになるようにと、徹底的にララちゃんの住替えのストレスを軽減するプランにしました
いつ伺っても、元気いっぱい・・・走り回って、、、
観察して、、、、
吠えています(爆)
アプローチ側は通りから近いので、目隠しを造り
その向こうには、s様が釣ってきた魚の鱗が飛び散るのを気にせず
さばけるまな板置き・水道スペースがあります
そしてその魚さばきスペースで使用する魚釣り関係のグッズは
玄関の脇に収納できます
■内玄関■
階段から間接的に光を採り入れ、センサースイッチ、
手すり、コンセントも使いやすく配置。
反対側には、姿見付き靴収納、手前は畳んだ車椅子置き場と
小物棚です
■カウンターとアウター収納■
食事の時間がずれることが多いs様ご家族
ダイニングテーブルは置かず、みんなで食事をするときは座卓で
お母さんは膝に負担がかからないキッチンの前のこのカウンターで
食事ができます。
さらに、このカウンターは本を読んだり、パソコンをしたり、ご家族皆さんでいろいろな使い方ができます
その横の収納には、モデムやFAX、さらにアウターや鞄が
帰ってきてすぐに収納できます
■1階LDK 約13帖■
正面中央にお持ちのTVとプレーヤーなどを
その上部には、取扱説明や雑誌など見せたくない書類を、
TVの右側は、大きな記念の置き時計のスペースで
すべて収まると一直線に凹凸なく物が収まります
■縁側兼部屋干&ワンちゃんスペース約2.5帖■
そのリビングに面するこの大きな光を通す3枚扉の向こうは、、、
雨に濡れずしっかり洗濯物が干せる物干しスペース。
昇降式のホスクリーンを降ろして干して、そのまま天井まで上げておけば
下は広く縁側として、お母様の日向ぼっこ、ララちゃんスペースに使えます
実はここは旧宅でも縁側があった場所、、、
あ母さんも、慣れ親しんだ景色と暖かさ、日当たりの良さを
味わっていただこうと、同じ場所に造りました。
1階のシャッターは電動。
窓と網戸を開けてから、降ろさなければならない手動シャッター
このスイッチひとつで、窓も網戸もそのままでいい塩梅で調整しながら使えるので、カーテンの代わりにもなり、開閉時虫も一切入ってきません
ララちゃんスペースは、ワンちゃんなので高さはあまり必要ないので
トイレとゲージが入る大きさ確保し、上部は大容量の収納にしています
人間同様、使うものを、使う場所に収納すれば、
ペットグッズも散らかりません
今回採用されたのは、ご紹介者である糟屋郡H様邸で肌触りを体感されてとても気に入られた天然木のマットなフロア。
幅広で色味も明るく、s様邸にぴったりです
■キッチン&パントリー■
お魚さばきから、お料理担当は、男性であるs様
使いやすさと収納量、お手入れのしやすさにとことんこだわったキッチンです
腰をかがめなくてもすぐに取り出せる包丁入れ、、、。
給湯も調理もガスと、電気どちらでも使えるように先行配線をご希望されました。
今現在はガスコンロを入れられました。
こちらもお手入れが大変な網ではなくグリルパン付き高機能コンロです
背面は45センチの家電カウンター引き出しの奥に15センチのカウンターを造り、冷蔵庫と出っ張りを揃えつつ、家電の手前に作業ができるスペースを確保しました。
台拭きや、レシピも壁に掛けてすぐに使えます
さらに、窓もたっぷり配置
暗く狭かったキッチンから一新です
さらにパントリーにはゴミ箱、ストック食材、大きな調理器具などたっぷり収納。
調理中にすぐ手が届く位置には、
たっぷりの調味料を置いていただける
浅い可動棚です。
■和室5.3帖■
リビングのそばに造った、s様専用の和室。
午前中お料理や家事を済ませられ、後はゆっくりお一人で
お酒やTVや読書を楽しまれたいとおっしゃっていたs様
個人の持ち物の量に合わせて、収納や、棚を造りました
良い方角を向けたこのスペースは、お仏壇スペース
下には仏具やぼんぼりなど収納できます
■お母さんのお部屋7帖■
こちらはお母様専用のお部屋
ベッドやTVの配置を決め合わせて棚や、収納を造っています
こちらももちろん電動シャッターです。
お持ちの布団や衣類を右側に。
ポータブルトイレやお掃除ロボットが左側の階段下スペースにピッタリ収まります
部屋を出て一歩でトイレに行ける動線ですが
さらに、夜間のいろいろな状況を想定して、
電気が落ちると勝手に点灯する保安灯の役割と、
外せば30分点灯する懐中電灯の役割、さらに
夜間は明るさを感知して自動点消灯する足元灯の
ひとつ3役のスグレモノを配置しています
■トイレ・洗面コーナー■
北側からの光も、ふんだんに採り入れるため、
左のトイレからも、右の脱衣室からも光パネルを付けています
暗く、陰気な雰囲気になりがちな水回り、、、。
これだけ大きな窓を採り、明るく風通しがよいと
介護する側もされる側も、気持ちよく暮らせます。
明るさはとても大事です。
リビングと同じ温度で快適に家族みんなが使用できる”リビング洗面”
壁にも天井近くのちょっとしたスペースも、収納を造り
物がカウンターや床に出ないようにしています
脱衣室とは別なので、誰かが入浴中でも使用できるので
とても便利と、好評です。
■脱衣室■
洗濯機の横には引き出しなどに、下着や部屋着などを
洗濯機の上には高さが変えられる棚に、
洗濯グッズやタオルがたっぷりと置けます
お風呂から上がってすぐに使うバスマットやタオルも
手が届く位置に掛けて置けます
浴室暖房も採用されていますが、脱衣室にはガスの差し込み口を設け
ファンヒーターを直接挿して使えます
■システムバス1616■
入浴介護を受けられるお母様のために
介護グッズも使えるよう、引き戸や浴槽の形に配慮。
つかまりやすい手がかりのある浴槽。
水垢がつきにくい側面のポップアップ水栓
取り外せるカウンター、大きく長い手すりなどなど
数年後が楽しみな、お掃除お手入れが楽な仕様満載のお風呂です
■階段■
2階へ上がる階段です
1階はご覧のように、両サイドに扉があるので、
2世帯間の音やプライバシー、熱効率配慮に
扉は2階に付けました
■2階LDK7帖■
s様の妹さん世帯の2階LDKです
お母様の介護の合間にも、なかなかお一人になる時間と空間がなかったとおっしゃるN様。
『小さくても専用のキッチンがあるなんて、、、お友達を呼べるのね!!』
そうおっしゃっていたN様が印象的です
ミニ冷蔵庫、みに食器棚、ミニカウンター家具なども収まるよう
コンセントやスイッチも配置。
キッチンの作業スペースもしっかりあります
女性のN様が、くつろげて、癒やされるよう
いろいろな雰囲気になる間接照明を多々配置しています
2階のバルコニーの物干しは、昇降式をご希望されました
その他、お布団を干す際に、手摺壁の天板が汚れていていつも拭いてから干さないといけないからと、s様発案のフックを付け
布団を干す際は、さっとそのフックにつないだビニールシートを
手すりに掛けて、布団を干せるようになっています
■洋室6.3帖■
リビングからも、ホールからも出入りできるこの部屋は
N様専用の個室
個人の持ち物すべて収まるようになっています
■予備室3.8帖■
誰かが泊まりに来ても、納戸としても使える予備室
棚などs様がDIYしやすいように、下地をいれています
■トイレ■
2階のトイレはタンクありのシャワートイレです
こちらも床にものは置かないでいい仕様です
■ホール■
ホールには、インターホンの対応ができる増設機も。
■洋室6帖■
N様の息子さんのお部屋です。
大きな鏡付きのクローゼットと、、、
タバコ用の換気扇スイッチも、座られる場所の直ぐ側に付けました
介護世帯のご家族に、介護生活を楽しみながら、長く、快適に暮らして頂く為に何が一番大事だろうと考えた時、、、。
やはりお一人お一人が、自分だけで好きなことを楽しめる
”自分だけの空間・時間”ではないかと思いました。
何をしている時間が仕事や家事や介護を頑張れるエネルギーになるかは人それぞれ、、、
s様とN様ご家族は、お母さんも快適に介護を受けられて
愛犬のララちゃんものびのびと過ごす様子を見ている瞬間が
一番お幸せそうに私の目には写りました
まず、お母さんとララちゃんの快適な暮らしを最優先に
『自分たちのことは、、、(後回しで)いい』とおっしゃった
s様とN様でしたが、
s様とN様が活き活き、ニコニコしていないと
お母さんもララちゃんも、幸せではありません。
介護はお一人だけが頑張るのではなく、皆さんで少しづつ
負担を減らしながら、明るく、楽しんで行えたら
大変なことばかりではないのかもしれないと、
s様N様を見て改めて思うのでした。
今お隣の土地に建築中で、通りかかる監督に
『いつも、暖かくて明るくて、前の家とは雲泥の差!
本当に、快適ですよ~』と顔を出してくださるs様N様
お母さんとララちゃんの仮住まいでの負担が重くならないよう
解体から入居まで、最短の半年!の目標通りで仕上げることができました
ご協力いただいた、職人さん、関係者の皆さま、
本当にありがとうございました
これからも末永く、よろしくお願い致します。
(市川 吏保)